2024/04/08 09:17
「鯨の自動販売機」が大阪駅前第2ビル1階に現れた!
昨年(2023年2月16日)、日本で4号店の「鯨ストア」が大阪駅前にオープン。
「鯨の自動販売機」が設置され、鯨肉の関連商品が24時間購入可能になりました。
関西では初!!
皆さん、こんにちは!大阪の鯨屋、奥野水産4代目奥野良二です。
私はそのオープン前日(2023年2月15日)、ヒルトン大阪5階で開催される「鯨フェス」に出席しました。
鯨フェス会場には翌日「鯨ストア」に設置される「鯨の自動販売機」2台が展示されました。
それぞれ、違う鯨肉の関連商品を買う事が出来ます。
鯨を自動販売機で買う!?
私たち鯨屋が市場に必要で無くなる、そんな時代が来たのか?
スーパー・量販店に鯨肉を卸す仲卸業者の奥野水産からすれば、「寝耳に水」である。
現在の国民一人当たりの消費量の状況(数値化するとほぼ0になる)ならば、私たち市場を介さず直接、消費者に届ける方法に販売を委ねた
としても不思議ではない。
そもそも「鯨フェス」の目的である「鯨食」推進の宣伝行為とは言え、私からすると些か不安要素が拭えないのも事実。
「鯨フェス」主催者の「共同船舶株式会社」は鯨肉の流通の要である。
その会社が「鯨の自動販売機」を設置する事は、(鯨肉の)直販売行為と誤解を招いても致し方無いだろう。
とは言うもの、実際には主だった「鯨の加工業者」を集め出品はしているのだが、あまりに狭い業界なだけに、参加出来なかった当社は
「さみしい」の一言である。(笑)
それに加え私の懸念する事は、よもや(鯨が)品物も見ずに消費者に買われていく事だ。それは(私たち)仲卸を必要とせず流通が構築さ
れ、直販売が後押しされていく事に他ならないからで悲しいのだ。
「共同船舶株式会社」が販売先を直に消費者に向けないと、今後の(鯨の)市場動向から販売継続は難しいと読みとり判断したのか?正直
なところ不安は募る。
ネット通販が主流の昨今、大半の消費者には鯨肉は未知の商品である。
その購買欲求を起因させる衝動は、全く持って消費者の「お試し感」頼みに強く表れる。
ネットでの傾向では、若年層(鯨を知らない世代)の「好奇心」に左右されるのである。
さりとて従来、鯨肉を常食としていたであろう慣れ親しむ世代が、簡単に迷うことなく気軽に鯨肉を買える場所が、身近に提供される事については大賛成である。
ぜひ、気兼ねすることなく鯨の買い物を、懐かしみ楽しんでもらいたい。
生鮮品でありながら既に「品定めの基準」ですら、消費者が持たない(鯨肉の)現状では、共同船舶と同じ危機感を持って、これからの
(鯨肉の)販売促進を第一に考えずにはいられないのも、業界に携わる者の責務であろう。
売り方はどうであれ、消費者の手元に(鯨肉が)届きやすい環境を第一に考えると正解である。
価値観の多様化に合わせ、それに嘆く前に柔軟に対応しなくてはいけない。
アップデートである。
今回の件を3代目奥野つる子に尋ねました。
「会長、自動販売機で鯨を売るそうです」
「面白い売り方ですが、時代なのでしょうか?」
「私ら(市場)も必要で無くなるのでしょうか?」
3代目:奥野つる子はこう断言した。
「なにを言うてるの!」
「見ててみ!そんなうまい事行くわけないやろ!」
「私らは出来ることを堂々と、しておいたらええねん!」
「自動販売機は成功しない?」
(無理?と予想なのか?)
そう断言し、根拠のないまま(設置から)1年が経ちました。
そして、結果は出てしまった。。。。。
恐るべし、3代目。
という表現で(自動販売機の)詳しい内容の記載は差し控えさせていただきます。
(全く持ってブレる私に会社を譲るより、まだまだ交代せずによかったのでは?と思わされる場面でありました)
それでは、また続きは別のお話で。