2024/03/11 10:25
日本が領海内で行う、商業捕鯨の捕獲対象の鯨種に「ニタリクジラ」があります。
(科学的根拠に基づき決められた漁獲量は、この先の十分な水産資源確保の裏付けを取った上で、商業捕鯨では他にも「ミンククジラ」や
「イワシクジラ」も捕獲しています。)
皆さんはなぜ、ニタリクジラは「ニタリ」と呼ばれるのかご存知ですか?
こんにちは、大阪の鯨屋、奥野水産4代目奥野良二です。
「ニタリ」あまり聞きなれないですが、皆さんが想像するならばひょっとして鯨の表情が「ニタリ」と笑っているのではと思った方はいま
せんか?
「ブッブー」(不正解音)
実は正解は、ニタリクジラの「ニタリ」は「~に似たり」の語源からきているのです。
しかも何に似ているのかと言うと、「イワシクジラ」に似たりなのです。
ここで、鯨屋の私からあえて言わせて頂くならば!
なぜ、地球上で一番大きな哺乳類と言われる、「シロナガスクジラに(例えて)似ているから」が名前の語源の由来ではないのか?
「ボーっと生きてんじゃねーよ!」とチコちゃんに叱られる!ではないか。
皆さんお気づきだろうか、、、、、
鯨の大きさで言うとシロナガスクジラ➡ナガスクジラ➡イワシクジラ➡ニタリクジラの順に、大きさを比較し並んで表示され図鑑にも出てきます。
図鑑でも4鯨種ともそれぞれ似ている事も確認出来ます。
(全てヒゲクジラです。)
では、なぜ3番目と4番目の「イワシクジラ」と「ニタリクジラ」を似ている、似ていないと比較して、「(イワシクジラに)ニタリクジ
ラ」と名前の由来になったりするのだろうか
それは、ニタリクジラの生息域に、イワシクジラも多く生息していると言う極めてシンプルな理由。
シロナガスクジラやナガスクジラが近くに生息していない為、イワシクジラ以外に見間違える事が無かった。
なんともお粗末なお話。
シロナガスクジラやナガスクジラは仮にいたとしても、個体の大きさが倍近く違い過ぎる為、初見で区別がついてしまうのです。
以前にお話しした、クジラ漁の漁師たちは勇敢にも出来るだけ、大きなクジラを捕獲する為に銛を片手に奮闘します。
その際に、少しでも大きいイワシクジラだと思って銛を付いたのに、「何じゃ?ニタリクジラじゃねぇか!」(似てるだけじゃないか!)
なんてことが、実際にあったかどうかは定かでは御座いませんが、漁師が「がっかり」でもしないとわざわざ「似ている」クジラ等と区別
しないのではないかと、思いを巡らすのであります。
それでは、今日はこの辺で。