大阪湾のクジラはなぜ？骨格標本になったのか？

大阪湾に迷い込んだクジラ、全長15メートル越えのマッコウクジラのニュースを最近テレビで見ました。

死んでしまったマッコウクジラは骨格標本にする為、土中に埋没処理されました。

半年前のまよいクジラ「淀ちゃん」も同じく先に標本の為、処理されました。

この2匹は奇しくも同じ、マッコウクジラです。

こんにちは！大阪の鯨屋、奥野水産4代目奥野良二です。

 

クジラの骨格標本のある博物館に行ったことはありますか？

 

話は変わりますが、鯨の骨格標本は大変貴重で素晴らしい資料であると私も共感いたします。

恐竜などの遥か昔、想像するのでは無く今、地球上に存在する哺乳類の中で最大の動物を一番身近に感じる事が出来る、壮大な実物の骨格

標本は本当に貴重だと思うからです。

大阪市長居公園内にある「大阪市立自然史博物館」の玄関エントランスには、天井に吊るされている１９ｍの「ナガスクジラ」、9ｍの「マ

ッコウクジラ」、7ｍの「ザトウクジラ」の骨格標本があります。

また、第三展示室にも「ナガスクジラ」が展示されています。

自宅から近く、子供達が小さい頃は家族でよく博物館に訪れました。

「大阪市立自然史博物館」の骨格標本の全ては北海道厚岸や和歌山県などのまよいクジラであることも教えて頂きました、ぜひ皆さんにも

見に行って頂きたいと思っています。

あまりに壮大で迫力のある骨格標本に度肝を抜かれました。

私自身も、子供達と初めて見て感動と驚きで、家族みんなでしばらくその場を見上げたまま動けませんでした。

この様な大きな生き物が海の中で存在し、人間が食料を始めあらゆる生活の中でその恩恵を受けている事を理解し、改めて感謝する事が出

来ました。

今回、迷い込んできたマッコウクジラは15ｍを越え、博物館の1.5倍以上です。

今後の展示されるのが楽しみです。

 

マッコウクジラの骨格標本についてのオマケ

 

ここだけの話、マッコウクジラはよく鯨の代表格のイラストで描かれる様に、頭部が張り出しおでこの広い、歯の生えた鯨です。

皆様がよく知る「ワンピース（ONE PIECE）」週刊少年ジャンプ連載の人気漫画に出てくる、「鯨のラブーン」ルンバー海賊団で麦わら海

賊団のブルックの友達の鯨がそうです。

骨格になってしまうと解らなくなるので、覚えておいてください。

マッコウクジラの特徴である分厚い皮（脂肪層）は、おでんの具「鯨コロ」の原料に最適なのです。

また、香水の原料となる竜涎香（りゅうぜんこう）を体内で生成します。

 

ちょっとしたうんちく。

 

当社が商業捕鯨の鯨肉を購入する、共同船舶株式会社から聞いた話ですが、鯨は全長が1ｍ大きくなると、その体重は約1トン変わる（重く

なる）と聞きました。

だから商業捕鯨では、可能な限り大型の鯨に遭遇しない限りは、無駄な捕獲はしない決まりがあります。

食料資源としての管理徹底が日本の未来の食料事情に大きく関わってくる事になるからです。

現在のような、近代的な捕鯨設備のない時代において、銛を片手に鯨に獲りかかった昔の漁師さんの勇気には頭が下がります。

少しでも大きなクジラを獲る事は、その年の生活を直接左右すると昔の漁師さんは知っていたのです、勇猛果敢にクジラ漁を行ったのだと

思います。

そうして、捕獲したクジラは「勇魚」と取った漁師たちの勇敢さから取ったものだと聞いています。

これはまた別の機会でお話し致します。

ちなみにクジラの骨格標本を作るのには、1メートル当たり100万円掛かるそうです。

 

まさに、費用も壮大。

 

今回のお話は、皆さんのお役に立てましたでしょうか？