2023/05/20 00:00
当社が「学校給食」に鯨肉を提供させて頂くにあたり、よくこうした質問をされることがあります。
それは!なにか。
なぜ?「鯨」を食べるのか、「鯨」を食べるその理由を、しばしば聞かれることが御座います。
こんにちは!大阪の鯨屋、奥野水産4代目奥野良二です。
今日の食育バンザイのテーマ:「鯨を食べる理由」
この質問への答えとして、「学校給食の始まり」からご説明させて頂きます。
学校給食の始まりは、1889年(明治22年)に山形県の学校で、生活が苦しくお弁当を持ってくることが出来ない子供達を対象に、無
料でおにぎりとおかずの「昼ごはん」が出されたことが学校給食の始まりとされています。
1954年(昭和29年)に「学校給食法」が施行され、学校給食実施の法体制が整いました。
(第一条)この法律の目的には
学校給食が「子供達に食に関する正しい理解と適切な判断力を養ううえで重要な役割を果たす」生きた教材だとしています。
そして、食に関する指導の実施に関し必要な事項を定め、「学校給食の普及、充実、学校における食育の推進を図る事を目的とす
る」と書かれています。
(第二条)学校給食の目標の中には
①「食生活が自然の恩恵の上に成立つものである事についての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与す
る態度を養うこと」
②「食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと」
③「我が国や各地域の優れた伝統的な食文化について理解を深める事」
④「食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと」と書かれています。
学校給食の献立に「鯨」を使用する事は、学校給食の目標である、上記①~④の全てを満たしていると考えています。
「(人が)命を繋ぐ為に、(自然の恩恵である)命を頂く事は当たり前の事であり、頂いた命に敬意を払い無駄にしないこと(もっ
たいない)を学ぶ」
「(鯨は)食料資源として余す所なく利用されており、骨やひげ、油にいたるまで無駄にせず利用されていることを学ぶ」
「(鯨は)我が国が日本古来より、受け継いだ食文化です。学校給食で(鯨を)提供する事で、子供達は伝統的な食文化について理
解を深めることが出来ます、(鯨の)食文化を継承して行くことの重要な意味を学びます」
「持続的、継続的に利用可能な資源は、科学的根拠に基づき利用されるべきである(という我が国の)主張に基づき、日本が国策と
して、「商業捕鯨」実施を選んだ(本当の)意味を正しく理解し学ぶ」
「商業捕鯨が、人と水産資源とのバランスを考え、SDGs14(海の豊かさを守る)の観点において実施されていることを学ぶ」
子供達が実際に「鯨肉」を食体験することは、「学校給食法」の基本理念そのものを、正しく学ぶ、貴重な機会となります。
最後に、人が食べ物を摂取する為には、そこまでの過程において「食にかかわる人々の様々な活動に支えられている」そのことに感
謝すると共に、その「感謝の心」を育むことが大切だと学ぶことが出来ます。
学校給食に「鯨肉」を起用する為には、「食育」として「鯨を食べることに意味がある」という考えにご賛同頂いた「教育委員会」
の方々、実際の献立、調理に当たられた「栄養職員」の方々や「現場の調理員」の方々の創意工夫に支えられて成り立つものと、
日々感謝しております。